
Home » Archives for October 15, 2025







輪島塗産業が直面する未曾有の危機とは 令和6年1月1日に発生した能登半島地震により、石川県輪島市で最大震度7を観測。この地震は、400年近い歴史を持つ輪島塗産業に壊滅的な被害をもたらしました。 輪島漆器商工業協同組合に加盟する103社のうち、17組合員の事業所が焼失し、20から30の事業所が全壊、そのほかの組合員の事業所の多くも半壊という深刻な状況に陥っています。 特に衝撃的だったのは、輪島朝市周辺で発生した大規模火災。 この地域には多くの工房や職人の自宅が集中していたため、被害は産業全体に及びました。2024年9月には異例の豪雨があり、震災ののちに建設された仮設工房47室のうち7室が床上浸水するなど、復興に向けて歩き始めたばかりの時期にさらなる打撃を受けています。 この記事で学べること 輪島塗産業の震災被害は組合員103社の約半数が全壊・焼失という壊滅的状況 生産額は1991年の180億円から2022年には24億円まで86%減少という厳しい現実 後継者育成の課題は高齢化と収入不安定で、職人の平均年齢は60歳超 政府と石川県の支援策により補助率最大90%の手厚い復興支援が実現 デジタル活用と観光連携で新たな販路開拓の可能性が広がっている 震災前から続く輪島塗産業の構造的課題 輪島塗産業は、震災以前から深刻な課題を抱えていました。 最も大きな問題は、生産額の激減です。 生産額は1991年の180億円をピークに2022年は24億円まで落ち込んだという数字が、産業の厳しい現状を物語っています。この30年間で約86%もの減少となり、産業の存続そのものが危ぶまれる状況でした。 後継者不足も深刻です。 輪島塗は124にもおよぶ製造工程では、それぞれに特化した専門の職人たちが技を施し、職人の手から手へと渡されていくという分業制で成り立っています。しかし、どこか一つの工程の職人がいなくなると、輪島塗そのものが作れなくなってしまうのです。 現在の職人の多くは60歳以上。若い世代が職人の道を選ばない理由として、収入の不安定さや、厳しい修業期間があげられます。 震災による被害の詳細状況 震災による被害は、物理的な損壊だけではありませんでした。 輪島塗の下地から上塗りまで一貫して天然漆を用いる工程は、多くの職人による分業で生産されますが、職人たちが被災し、避難を余儀なくされたことで、生産体制そのものが崩壊しました。 103社 輪島漆器商工業協同組合加盟数 約50社